IDOM(旧ガリバー)が始めたBMWやMINIの新車に月々定額払いで乗れる「NOREL」の新しいメニューはご存知でしょうか。

個人向けリースの一種ですが、5000kmごとに乗り換えることが基本パターンで、最長でも同じ車輌は10ヶ月までというユニークな内容です。

さらに同社ではその車輌を別の個人に貸すことができる「GO2GO」という個人間カーシェアサービスもリリースしました。

月々は割高になるリース契約でも、その車輌を貸し出すことで収益を生むことができるとすれば、自動車の購入が消費から投資へ変わっていく可能性があるのではないでしょうか。

さらに車輌そのもので収益を生まなくても、ライドシェアサービスが解禁されていけばマイカーを使って収入を得ることが可能になりますから、自動車の購入そのものの意味も動機も変化していくことも考えられます。

通常、自動車を購入する際には車庫証明が必要であり、駐車場そのものもコストですが、その駐車場が空いている時間帯を貸し出す「akippa」のようなサービスを利用して収入を得ているヒトがいることなどを鑑みれば、自動車の売買に関わるパラダイムの変化がはじまりつつあると言っても過言ではないのでしょうか。

いままで自動車流通ではオークションの落札価格やリセールバリューが一つの重要な指標でしたし、残価の設定というのがビジネスそのものだったりするなかで、今後は「収益を上げやすい車輌」みたいな指標が出てくるかもしれません。

着物などのリユース品の売買プラットフォームを手がけるバイセルという会社がリリースしたCAPPYというアプリは、マイカーを登録しておくと中古車市場での過去・現在・未来にわたる売却資産価値を可視化し、マイカーのメンテナンス作業を行って登録していくとポイントが貯まり車輌の売却価格にポイントを上乗せすることができるそうです。

このようなサービスが普及するのかはわかりませんが、銀行に預けておくお金があるなら45tくらいのラフタークレーンでも購入して、ロードサービス事業者などにお貸ししてから売却した方が利益を生むような気もします。

自動車の購入や売却という価値観が変化していくなかで、自動車を提供したり、その自動車の維持や機能回復に関わるサービスを提供している自動車アフターマーケット事業者の価値観も変えていく必要が出てきそうです。


株式会社ジェイシーレゾナンス 代表取締役 松永博司
企画編集:三井住友海上火災保険株式会社 営業推進部・モーターチャネル推進チーム 
     エーシー企画株式会社